近年、Copilotは単なるAIアシスタントの枠を超え、私たちの仕事や日常を劇的に変える強力なビジネスツールへと進化しています。その最大の魅力は、常にアップデートされ続ける点にあります。
かつて、Officeソフトなどの新機能は「バージョンアップ」のタイミングでまとめて追加されていました。しかし、クラウド時代となった今、Copilotをはじめとするサービスは常に最新のアップデートが自動で行われています。
このため、私たちビジネスパーソンは、受動的ではなく、能動的に情報を追いかけることが極めて重要です。この流れに乗れないと、知らないうちに業務効率の面で大きな差をつけられてしまいます。
そこで今回は、無料版Copilotで使用できる Copilot Labosについてご紹介します。
この記事でわかること
- Copilot labosって何?
- Labosで使える機能を理解
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最近追加されたCopilot Labosとは?
さて、皆さんはCopilotを「ただの会話型チャット」だと思っていませんか?
確かに、Copilotが導入された当初は対話型チャットのような使い方が中心でした。しかし今では、日々進化を続けています。
昨日できなかったことが、今日にはできるようになっている そんな変化が、現実の世界で起こっているのです。
今回ご紹介する Copilot Labos は、 未来のAI機能をいち早く体験できる「実験室」のような場所です。まだ開発初期段階の機能が多く含まれていますが、ユーザーからのフィードバックをもとに、日々改善が進められています。
Copilot Labosのサービス名
- Copilot 音声表現
- Copilot 3D
- Copilotの外観
- Copilotアクション
- Copilot Vision
- Copilot Gaming Experiences
2025年現在は6種のサービスを体験できます。
Copilot Labosのアクセス方法
1.Microsoft365 Copilotにアクセス Microsoft Copilot: あなたの AI アシスタントです

2.画面右側に表示されている 『Labs』をクリック

3.『Labs』で使用できる一覧が表示されます。
各サービスの紹介
各Labsのサービスを詳しく説明します。
Copilot 音声表現
このサービスは、テキストをほんの数秒で感情たっぷりの音声に変えてくれる実験的なツールです。
具体的にどんなことができるのか試してみましょう!

実際に試してみましょう
選択する項目は以下の3つです。
- モード・・・「感情」「ストーリー」「スクリプト化済み」から選択
- 音声 ・・・音声を選択 (女性や男性など9名から音声選べます)
- スタイル・・・発音時の表情を示しています。
※モードの補足
- 「感情」は感情豊かな表現を生成する
- 「ストーリー」は複数のキャラクターや場面を使って物語を生成することができる
- 「スクリプト化済み」は台本通りに正確な音声を生成します。
私は誕生日のお祝いのコメントを女性の声で明るく生成しました。
注意点と使った感想
2025年現在は英語のみのサービスになっています。今後日本語での生成も可能になるかもしれません。
今回使用した感じでは、簡単に音声生成ができ留守番電話や、動画サービスのアテレコなどの場面で活用できそうかと思いました。
Copilot 3Ð
1 枚の画像からCopilotが3Ð化してくれるサービスです。
実際にやってみましょう

実際に試してみましょう。
せっかくなので、自分の好きな車の写真を読み込ませて、どのように出力されるかを確認してみます。
自分の作品をクリックして、3D化したい画像を選ぶだけで、簡単に出力することができます。


ちなみに、左の赤丸で囲んだお気に入りの画像を読み込ませてみたら、右側にこんなカッコいい車が出力されました!
注意点と使った感想
画像によると思いますが、画像から3Ðに変換する際きれいに出力されないことがありました。
こんなサービスを無料で使えるなんて、本当に驚きです。 ゲームのキャラクターを自分で作ったり、3Dプリンター用の素材を作ったりと、今後さまざまな場面で活用できるのではないかと期待しています!
Copilotの外観
Copilot 外観は、チャット中に Copilot がリアルタイムで表情や声で反応し、より自然で魅力的な対話を可能にする新しい実験的機能です。文字だけでなく視覚的・音声的なコミュニケーションが加わり、Copilot とのやり取りがより豊かになる機能です。

実際に使ってみましょう
現在、米国、英国、カナダのユーザーのみで使用できませんでした。
今後の期待
Copilotは基本的に、文字による入力と出力を通じてユーザーと対話する仕組みですが、Microsoft社は副操縦士(Copilot)とのコミュニケーションをより豊かにすることを重視していると考えられます。その背景には、顔の表情や仕草などの非言語的な要素を取り入れることで、ユーザーに親しみや安心感を与えたいという思いがあるのではないでしょうか。
Copilotアクション
Copilotが Web タスクを実行してくれる新しい機能です。Copilot があなたのパートナーとなり、バックグラウンドで作業を進めてくれる機能です。
実際に使ってみましょう
現在、欧州経済地域のCopilot pro(有料版)ユーザーのみで使用できませんでした。
デモを確認すると、たとえばCopilotアクションに「○○のチケットを予約して」とプロンプトを入力すると、Copilotが他のサービスと連携してチケット予約を行うことができる機能のようです。
今後の期待
この機能で特に注目すべき点は、他社が展開するサービスとの連携が可能になったことです。これまでのCopilotはMicrosoft製品との連携に限られていましたが、今回のアップデートにより、他社サービスとも連携し、プロンプトに応じた処理を実現できる可能性が広がりました。
たとえば、出張時の航空券や新幹線チケットの予約をCopilotに依頼する。 そんな時代が、すぐそこまで来ているようです。今後の展開が非常に楽しみな内容です。
Copilot Vision
AIがあなたの見ている画面(ブラウザウィンドウやアプリ、またはスマートフォンのカメラを通して見えるもの)を視覚的に理解し、それに基づいて質問に答えたり、作業をサポートしたりする機能です。
実際に使ってみましょう
Copilot Vision は、現在は米国 (イリノイ州とテキサス州を除く) で提供されており、日本では利用できません。
デモを確認すると、Edgeで表示されている画面に対してCopilotに質問し、その内容に応じた回答を得ている様子が見られました。 具体的な使い方については、リリース後に確認する予定です。
今後の期待
私の推察ですが、これまでのCopilotでは「このグラフから読み取れる傾向を説明して」「この表のデータをCSV形式で抽出して」といったように、Copilot上に表示されたものに対してプロンプトを入力していました。
しかし、今回のデモではWebブラウザ上に表示されている内容を直接確認できるようになっているため、分析や解析の手間がぐっと省けるのではないでしょうか?
Copilot Gaming Experiences
これは、Microsoft Researchが開発した、生成AIを活用した試験的なゲームで、AIがゲームのビジュアルやコントローラー操作をリアルタイムで生成する新しいゲームです。
実際に使ってみましょう
体験できたのはシューティングゲームでした。PCのキーボードでゲームしていたので非常にやりにくいです。
ゲームの完成度としては、プレステ時代の質の悪いゲームでした。

今後の期待
今回体験したゲームは非常に退屈なものでしたが、例えばゲームではなく、研修や理解度テストなどに応用することで、AIが受講者のレベルを判断し、それに応じたリアルタイムの研修を提供するなどの活用が可能ではないかと感じました。また、日本語対応が実現すれば、「社内研修動画の自動ナレーション生成」や「多言語対応のコールセンター応答音声の即時生成」など、活用の幅は無限に広がります。そうした観点から見ると、今後の技術革新には大きな可能性があり、非常に期待できる内容だと思います。
まとめ
今回ご紹介したCopilot Labosを表形式でまとめてみました。
| サービス名 | 概要 | 実際に試した内容 | 注意点・感想 | 今後の期待 |
|---|---|---|---|---|
| Copilot 音声表現 | テキストを感情豊かな音声に変換する実験的ツール | 誕生日メッセージを女性の声で明るく生成 | 英語のみ対応。留守電や動画ナレーションに活用できそう | 日本語対応や表現の幅が広がれば、さらに実用性が高まる |
| Copilot 3D | 画像を3D化するサービス | 好きな車の写真を読み込んで3D化 | 画像によっては出力が荒くなることも | ゲームキャラや3Dプリンタ素材の作成などに応用可能 |
| Copilotの外観 | 表情や声でリアクションする対話機能 | 日本では未対応のため未体験 | 現在日本では使用できない | 非言語的なやり取りで、より親しみやすいAI体験が期待される |
| Copilotアクション | Webタスクを自動実行する機能 | 使用不可(欧州の有料ユーザー限定) | 他社サービスとの連携が可能に | チケット予約など、日常業務の自動化が現実に |
| Copilot Vision | 画面上の情報を視覚的に理解し支援 | 日本では未対応のため未体験 | 現在日本では使用できない | グラフや表の読み取り、データ抽出などの効率化に期待 |
| Copilot Gaming Experiences | AIが生成する試験的なゲーム体験 | シューティングゲームを体験(操作性は低評価) | 完成度は低く、操作が難しい | 研修やテストへの応用で新たな学習体験の可能性あり |
今回は、Copilot Labosから6つの実験段階のサービスをご紹介しました。
一部の機能はまだ限定的で、具体的な用途が見えにくいものもありますが、業務効率化や学習支援、そして創造的な活用に向けた可能性は大きく広がっていくことを期待したいと思います。
今後の進化に期待しつつ、こうした新しい技術に積極的に触れていくことで、未来の働き方や学び方がより豊かになるはずです。皆さんもご興味ありましたらちょっと先の体験をしてみませんか?

