仕事ではCopilotを使って業務効率が上がった!自宅でも同じように活用したい!
そう思って、個人のパソコンでCopilotを開いた瞬間、ふと手が止まったことはありませんか?
「あれ? ここに入力した情報って、誰かに見られたり、AIに覚えられたりしないんだっけ……?」
私は普段は会社でMicrosoft 365 E3ライセンスが付与されたPCを使用し、ガチガチに守られた環境でCopilotを使い倒しているます。
ガチガチに守られてとはいったい何??と思った方へ
会社では「エンタープライズ保護(Enterprise Data Protection)」という強力な盾があるため、社外秘のデータでも安心して扱うことができます。エンタープライズ保護とは入力されたプロンプトや添付したデータをAIの学習に使わないことをMicrosoft社が守っていることを指しています。なので会社の機密性の高い情報をプロンプトに入力してもAIの学習に使わないため、会社としては安心して利用できるサービスなのです。
会社のような「守り」がない状態で、なんとなく個人情報やプライベートな相談を入力してしまうと、取り返しのつかないことになるかもしれません。 私は、普段エンタープライズ保護という強力な盾があることに慣れているため、いざプライベートのPCではどのように扱われるのか?あまり知りませんでした。
そこで今回は、「会社のCopilotと個人のCopilotはセキュリティ的に何が違うのか?」 そして 「無料版Copilotに入力した情報はAIの学習に使われてしまうのか?」 について、Microsoftの「プライバシーに関する声明」を紐解きながら、徹底的に解説します。
この記事を読めば、どこまでが安全で、どこからが危険なのか、その境界線がハッキリと見えるようになります。
1. 決定的な違い!会社用(エンタープライズ)と個人用(無料)の「壁」
まず結論から言います。**会社で使っているCopilotと、自宅の無料版Copilotは「中身は似ていても、セキュリティのルールは別物」です。
多くのビジネスパーソンがここを混同しがちです。まずはこの決定的な違いを理解しましょう。
会社用(Microsoft 365 E5/E3など)の安心感
私が会社で利用している環境には、「エンタープライズデータ保護(Enterprise Data Protection)」が適用されています。これは、企業がAIを導入する際の最大の懸念である「情報漏洩」を防ぐための仕組みです。
- 入力データはAIの学習に使われない: これが最大の特徴です。私たちが入力したプロンプト(指示)やデータが、Microsoftの基盤モデルのトレーニングに使用されることはありません。
- データが外部に出ない: データは企業のテナント(契約領域)内だけで処理され、Microsoftの社員であってもその内容を見ることはできません。
つまり、会社用のCopilotは「鍵のかかった防音の会議室」でAIと話しているようなものです。話の内容が外に漏れることはありません。
ちなみにエンタープライズ保護されている場合はCopolt の右上のに保護マークが表示されています。

※ここで注意ですがMicrosoft365アカウントにログインしていない状態だとエンタープライズ保護が有効になっていないので使用する場合は必ずこの保護マークが表示していることを確認してからご利用ください。
公式の情報のリンク先となります。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/microsoft-365/enterprise-data-protection
個人用(無料版)の現状
一方で、プライベートでMicrosoftアカウントを使ってログインする無料版のCopilotは、あくまで「コンシューマー(消費者)向けサービス」です。
こちらは、Web検索(Bing)や広告モデルと密接に結びついています。会社用のような「防音の会議室」ではなく、「誰もが通り過ぎる広場でAIと立ち話をしている」状態に近いとイメージしてください。
では、具体的に私たちのデータはどう扱われているのでしょうか? 次の章で、公式のドキュメントを確認してみましょう。
2. Microsoftのプライバシー声明を読み解く
「なんとなく怖い」という感覚を、「正しい知識」に変えるために、『Microsoft のプライバシーに関する声明』を確認してみました。ここには、私たちのデータがどう扱われるかがハッキリと書かれています。
公式声明から、今回のテーマに関わる重要なポイントを2つピックアップしました。
データは「サービスの改善」に使われる
Microsoftのプライバシー声明には、個人データの使用目的として以下のような記述があります。
サービスの提供と改善:
つまり、あなたが入力したチャットの内容やフィードバックは、匿名化などの処理はされるものの、将来的にはCopilotをより賢くするための「教科書」の一部になる可能性があるのです。会社用(エンタープライズ版)では明確に「学習に使わない」と宣言されていますが、無料版ではその宣言はありません。
Microsoft のプライバシーに関する声明 – Microsoft のプライバシー
しかしトレーニングへの利用を個人情報を利用する際に、本人が「利用されたくない」と意思表示することで、その利用を拒否できる仕組みがあることも示しています。
拒否する設定方法とは?
Copilot画面からご自身のアカウントをクリックします。
プライバシーを選択

設定を行うことができます。

- テキストでのモデルトレーニングは、プロンプトなのどの入力された内容について
- 音声でのトレーニングは、Copilotの会話機能やCopolt Vision等で使用される音声について
私は、2つのモデルトレーニングのトグルをOFFにしています。
4. 無料版Copilotを「安全」に使い倒すための2つのルール
「モデルトレーニングをOFFにしたから、もう安心」 そう思われる方も多いでしょう。しかし、これはあくまで「設定」の話であり、本質的な「リスク回避」とは別問題です。
私たちが利用するAIサービスはCopilotだけではありません。GeminiやChatGPTなど、用途に合わせて複数のツールを使い分ける場面も多いはずです。ここで怖いのが「慣れ」です。Copilotの安全性に依存しすぎると、セキュリティ基準の異なる他のAIサービスを使う際、無意識に個人情報を入力してしまう「ヒューマンエラー」を誘発しかねません。
ツールが変わっても情報を守れるのは、設定ではなく日頃からのセキュリティ意識だけなのです。
Copilotは非常に便利なツールです。リスクがあるから使わないのではなく、「リスクを理解してコントロールする」ことが重要です。
エンタープライズ保護がない環境で、私が実践している「鉄の掟(ルール)」を3つ紹介します。
ルール1:個人情報・機密情報は「マスキング」する
これが最も重要かつ簡単な対策です。AIに質問するとき、固有名詞を伏せるのです。
【NGな入力例】
「佐藤さんへの祝辞の草案を作ってほしい。○○の親友でお互い○○高校まで一緒だった。」
【OKな入力例】
「親友宛ての祝辞を書いて。その親友とは高校まで一緒だった。」
具体的な社名、人名、住所または、会社の情報など特定される恐れのあるものは絶対に入力しません。一度「[会社名]」「[氏名]」のように記号に置き換えてCopilotに指示を出し、生成された文章をWordなどに貼り付けた後で、本物の名前に書き直します。
こうすれば、AIに渡るのは「親友への祝辞」だけで、あなたのプライバシー情報は一切渡りません。
ルール2:「公開情報」の処理専用と割り切る
Copilotを使う用途を完全に限定しています。例えば公開情報の要約や簡単なまとめ作業など
【Copilotにお願いしていいこと(安全なこと)】
- Web上に既に公開されている情報の検索・要約
- 一般的な献立の作成や旅行プランの提案
- 一般的なプログラミングコードの生成(社内独自のロジックを含まないもの)
- 英語の翻訳(機密情報を含まないもの)
【Copilotにお願いしてはいけないこと(危険なこと)】
- 会社の未公開データの分析
- 顧客リストの整理
- 家族のプライベートな悩み相談(個人が特定できる詳細を含むもの)
- パスワードやAPIキーのチェック
「誰に見られても困らない情報」や「世の中にありふれている情報」の処理だけを任せる。これなら、万が一学習されても痛くも痒くもありません。
まとめ:リテラシーこそが最強のセキュリティ
今回は、会社でE5ライセンスの恩恵を受けている視点から、保護機能のないプライベート環境でのCopilotの向き合い方について解説しました。
重要なポイントを振り返ります。
- 会社用と個人用は別物。 無料版には「エンタープライズ保護」という盾はない。
- Microsoftのプライバシー声明によれば、データはサービス改善(学習)や広告に使われる前提である。
- AIによる「情報のお漏らし」リスクを考慮し、個人情報をそのまま入力しない。
「会社で使っているから安心」という感覚をそのまま自宅に持ち込むのは危険です。しかし、仕組みさえ知っていれば、過度に恐れる必要もありません。
「学習されても困らない情報だけを入力する」 「本当に守りたい情報は、記号に置き換えてから入力する」
このひと手間を加えるだけで、無料版のCopilotもあなたの強力なパートナーであり続けてくれます。
便利なAIツールだからこそ、私たち人間側が賢く使いこなして、安全で快適なデジタルライフを送りましょう!


