「神プロンプト」の一発回答から「対話」による精度向上
「Copilotを導入したのに、期待通りのアウトプットが来ない」「生成された文章が通り一遍で、結局自分で大幅に手直しが必要になる」あなたも、このような経験はないでしょうか?
以前の私は「〇〇〇神プロンプト7選」のような記事を読み、『完璧なプロンプトさえあれば、一発で求めている答えが出るはずだ』と信じ込んでいたのです。
しかし、それは大きな間違いでした。原因はAIの性能ではなく、私のプロンプトに対する「期待」と「使い方」にあったのです。
本記事では、これまでの私の経験と実体験をもとに求めている答えを引き出すためのコツをお伝えします
- 一度の回答より数回の壁打ちが良い理由
- プロンプトの4要素とは?
- 最高の答えを出す具体的壁打ち手順
なぜプロンプト打っても求めている回答は生成されないのか?
多くの人が陥る最大の過ちは、AIにタスクを丸投げしてしまうことです。失敗の原因、プロンプトに対する「期待値」と「プロセス」の認識違いにあります。
この違いを、ビジネスの現場を例に見てみましょう。
- AIに完璧な成果を期待し、結果的に大幅な手直しが発生する「丸投げ」アプローチ。

「課長、資料できました!」

「いや、方向性が全然違うよ…。最初からやり直しだね。」
- たたき台を作成し、明確なフィードバックを上司に求め共同でアウトプットを磨き上げるプロセス。

課長、まずは構成案(6〜7割)を作ったので方向性を確認してください。

良いね。ただ、ここはもっと数値を強調して修正しよう。
皆さんも経験していると思いますが、ビジネスの上では後者の手法を使って資料作成すると思います。気になるポイントをヒヤリングすることによって微修正を行い求められている資料を作り込むことが、資料作成の肝になります。 ここでの微修正こそがAIに求めるときにも重要となります。
壁打ちの大切さは、Copolotの提供先であるMicrosoftも「キャッチボール」を続けることで求められる結果に対しての精度が上がっていくと記されています。
【Microsoft公式】Copilotの精度を爆上げする「プロンプト4要素」徹底解説
先ほど壁打ちの重要さを認識していただいたと思いますが、ここからはMicrosoftが公式に提示している具体的なコツについてご紹介していきます。
Microsoftが提示する「4つの要素」です。この基本原則に忠実になることが、質の高いアウトプットへの最短距離です。
| 要素 | 意味・役割 | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 1. 目的 (Goal) | 最終的に「どういう結果が欲しいか?」ゴールを共有し、AIの回答の方向性を定めるため | 「〇〇を作成する」「〇〇を要約する」のように、具体的な動詞でゴールを定義する |
| 2. コンテキスト (Context) | 「なぜそれが必要なのか?」背景やターゲット | AIが誰に向けて、どのような立場で書けば良いかを判断させる(例:役員向け、競合他社と比較して) |
| 3. ソース (Source) | 「どの資料を参照すればよいか?」 | Copilot for M365の独自機能。既存のデータ(ファイル、メールなど)に基づいた正確な回答を引き出す |
| 4. 期待値 (Expectations) | 「どのような対応を期待するか?」文体、形式、分量 | フィードバックの土台となる、最低限の形式を指定するため(例:箇条書きで3点、挑戦的なトーンで) |
本記事で解説するプロンプト構成は、Microsoft の公式資料に基づいています。
【実践】4要素を組み込んだ「壁打ちプロセス」の実行
ここからは、AIをあなたの「共同作業者」にするための具体的な「壁打ちプロセス」を学びます。
ステップ1:たたき台プロンプトの作成(4要素の結合)
まずは、議論の土台となる「質の高いドラフト」を作成するため、4要素を一つのプロンプトに結合します。
[目的]
新規事業として提案する企画書のドラフトを作成してください。
[コンテキスト]
対象は役員会議の決済者です。承認を得るために、ポジティブかつ論理的な根拠を最重要視してください。
[ソース]
「リンク」先の資料を参考にしつつ、添付している資料を基にしてください。
500文字以内に収め、論点は3つに絞り、決裁者が決済しやすい形でまとめてください。
ステップ2:壁打ち(リファイン)の3つのフェーズで洗練させる
内容が固まったら、最終提出に適した形式を改めて出力させます。
【壁打ちフェーズ1】
最初に、市場環境や前提条件に合っているか、大局的なズレがないかを確認します。
- フィードバック例:「論点は提示されましたが、市場の競合優位性が弱いです。具体的なデータに基づいた裏付けを追加し、提案の優位性を強調して修正できますか?」
【壁打ちフェーズ2】「具体性を深掘りして」と指示する
内容の不足部分、曖昧な言葉を排除し、独自の専門知識や数値を注入します。
- フィードバック例:「『成功のカギはチーム連携』の説得力が不足しています。この連携度を測るための具体的なKPIを3つ提案し、企画書に追記してください。」
【壁打ちフェーズ3】「フォーマットを最終調整して」と指示する
内容が固まったら、最終提出に適した形式を改めて出力させます。
- フィードバック例:「これまでの指示と回答を整理し、最終的な決裁書を作成してください。役員が即決できるよう、結論と承認によるメリットを冒頭に箇条書きで配置してください。」
必ず連続したプロンプトのやり取りを行ってください。 その理由は、Copilotが一連のチャット内容を記録しているため、これまでのやり取りをもとに生成を行うからです。
4. まとめ:AI時代の新しいスキル「Copilotとの壁打ち力」を磨く
最高のCopilot活用は「AIとの共同作業」から始まる
この記事を通じて、あなたはCopilotを「単なる質問に答えるツール」から、あなたの思考を拡大し洗練させる**「共同作業者(Co-Pilot)」**へと認識を変えることができたはずです。
業務スピードとアウトプットの質を最高レベルに引き上げるために、以下のプロセスを習慣化しましょう。
- 「公式4要素」をすべて含めた「たたき台」を最初に作成する。
- 段階的に「壁打ち(リファイン)」を行い、完成度を極限まで高める。
この「壁打ち力」こそが、AI時代に必須のスキルです。あなたの専門性とAIの処理能力を掛け合わせることで、あなたは真のCo-Pilotを手に入れることができます。ぜひご活用ください。

